【ぷらっとコラム003】パワーハラスメントの行為者になる人の特徴

パワーハラスメントの行為者になる人の特徴
加害のメカニズムを知り、組織を守るために
なぜパワハラはなくならないのか
職場の人間関係の中で、最も大きなストレス源の一つが「パワーハラスメント(以下パワハラ)」です。厚生労働省の調査でも、多くの労働者が職場でのハラスメント被害を経験したことがあると答えています。「なぜあの人はあんな言動をするのか?」――被害を受けた人だけでなく、周囲の同僚や管理職も疑問を抱くことが多いでしょう。
実は、パワハラの行為者には一定の特徴や心理的背景があるといわれています。その仕組みを理解することは、被害の予防だけでなく、組織全体の健全な風土づくりにも役立ちます。

パワハラ行為者に見られる特徴
1.権威主義的な性格
「自分が正しい」「上下関係は絶対だ」という価値観が強い人は、部下や後輩を支配しようとする傾向があります。これは社会心理学でいう「権威主義的パーソナリティ」と関連が深く、自分より弱い立場の人を攻撃することで安心感を得ようとすることがあります。
2.自尊心の脆さ
一見自信満々に見える人でも、内面では自尊心が非常に脆い場合があります。少しでも批判されたり、自分の権威が揺らぐと強い不安を覚え、その防衛として攻撃的な態度に出ることがあります。いわゆる「攻撃的な防衛反応」です。
3.感情コントロールの弱さ
怒りや苛立ちといった感情を抑えられない人は、衝動的に暴言や威圧的な態度をとりやすい傾向にあります。心理学では「アンガーマネジメントが未熟」とも表現されます。感情調整のスキル不足は、パワハラ行為の大きなリスク要因です。
4.過去の学習歴
自分自身がかつて厳しい指導を受けた経験がある場合、「自分もそうされたのだから、部下にも当然」と考えてしまうことがあります。これは「学習されたハラスメント」とも呼ばれ、無意識のうちに負の連鎖を再生産してしまう形です。
5.組織文化との相互作用
個人の性格だけでなく、組織文化も大きく影響します。「成果さえ出せば多少の厳しさは許される」といった価値観のある職場では、パワハラ行為が見過ごされやすく、加害が常態化するリスクが高まります。
行為者本人の心理的背景
行為者は必ずしも「悪人」だからパワハラをするわけではありません。その多くは、自分の立場や不安を守るために、無意識に攻撃的行動をとってしまうのです。
- 「自分が認められなくなるのではないか」という不安
- 「弱く見られたくない」という恐怖
- 「部下を従わせなければ成果が出せない」という思い込み
こうした心理が背景にあるため、本人は「指導しているだけだ」と正当化していることも少なくありません。

被害を防ぐためにできること
では、職場全体でどうすればパワハラを防げるのでしょうか。
1.明確な基準を共有する
「厳しい指導」と「パワハラ」の違いを全員で確認し、許容されない行為を明文化することが重要です。
2.管理職教育の徹底
特にマネジャー層には、アンガーマネジメントやコミュニケーションスキルを含めた教育が欠かせません。
3.相談窓口を機能させる
被害者が安心して相談できる仕組みが整っているかどうかが、抑止力に直結します。
4.組織風土の改革
成果主義一辺倒ではなく、心理的安全性を重視する文化を育てることが、長期的にハラスメントを減らす鍵となります。
まとめ:理解から予防へ
パワハラ行為者は「特別なモンスター」ではなく、誰もがなり得る側面を持っています。権威主義や感情コントロールの弱さ、自尊心の脆さといった特徴は、多くの人に潜在的に存在するものです。
だからこそ、個人を責めるだけでなく、組織全体で「行為が起こりにくい環境」を整えることが必要です。心理学的理解を土台に、教育・制度・風土を組み合わせることで、誰もが安心して働ける職場をつくることができるのです。
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